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マリンバイオテクノロジー研究会会則

1987年4月

会 長  宮 地 重 遠
(東京大学応用微生物研究所長)

マリンバイオテクノロジー研究会は、海洋を対象とするバイオテクノロジーの、基礎から応用までをカバーすべく成立された。陸と極めて異なった海洋の特性故、マリンバイオテクノロジーは、海洋生物学、海洋生態学だけでなく、理学、工学にわたる極めて学際的な研究を行わなければ発展が期待できない。また、その歴史の浅さを反映して、基礎研究に多くのエネルギーをさかねばならない。
 こうした認識のもとに、約1年の間は、研究会発足の準備に費やされた(個々の研究者の胸の中には10年以上も前から構想はあったであろうが、具体的な動きとなったのはここ1~2年であった)。陸上のバイオテクノロジーが、産業界を中心に製品化への懐妊期間に入ったのに伴い、新しいフロンティアを求める動きが、学会、官界を中心に急速に盛り上がり、目は海へと向けられていった。海を対象とするバイオテクノロジーの記事も新聞紙上をにぎわすようになっていた。
 周辺の喧騒の中で、研究会が具体的に動きだしたのは、昭和62年4月に入ってからである。海を対象とするバイオに興味を持つ研究者の糾合が第一ではないかという考えのもと、何回かの会合がもたれた。同年夏、研究者4名を中心に各地の研究者に対し、マリンバイオ研究会の発起人として参加していただくべく呼び掛けが行われた。発起人への参加招聘に当たっては、一つの学問に偏よらず、工学から理学、農学、医薬学などバラエティに富むことを目指した。約1ヵ月を経て、当初予定した発起人候補者はもれなく、研究会発起人としての参加を快諾して下さった。この研究会への研究者の期待の大きさをみる思いであった。
 昭和62年9月19日、第1回の発起人会が東京霞が関ビルで開かれた。設立の趣旨、役員の選出、今後の進め方について論議がなされた。その中で、発起人メンバーの増員、講演会、法人会員の募集、国際会議の開催等が決められ、事務局が選定された。
 発起人メンバーの増員については、新たに官庁の方々にも加わっていただくこととなり、9月26日、関係5省庁に対して、会の趣旨説明を行った。各省庁ともマリンバイオに対して強い関心を示された。

同年12月、第2回の発起人会とともに、第1回の講演会を開催した。有料の講演会に
約100名の産業界、学会からの出席者があり、会の前途は極めて明るく思えた。その後
3ヵ月余の発起人の研究者の努力もあり、ようやく発会までこぎつけた。会員は、未だ十
分な数ではないものの、とにかくスタートが切れた。この会が、学会としての性格を色濃
くもちながら、より現実的なプロジェクト形成を行おうという二面性を持つ従来にない形をとっていることについて、今後、さらにパブリシティを行い、大きく発展することが必要であろう。

昭和62年 8月 研究会発起人会結成の呼び掛け
9月19日第1回  発起人会
9月26日官庁関係の説明会
 〃 第1回  発起人会幹事会
11月15日第2回  発起人会幹事会
12月 1日第2回  発起人会
  〃  第1回  講演会
12月28日第3回  発起人会幹事会
昭和63年 1月 8日 第4回  発起人会幹事会
2月27日第5回  発起人会幹事会
3月26日第6回  発起人会幹事会
4月16日第7回  発起人会幹事会